非認知能力とは

遠藤 利彦 教授

東京大学大学院教育学研究科付教授 及び同付属発達保育実践政策学センター長
専門  発達心理学・感情心理学・進化心理学
近年、全世界的に、子どもの時代に、非認知的な心の力をしっかりと身につけておくことの大切さが、声高に叫ばれるようになってきています。非認知的な心の力とは、自分のことを大切にし、適度にコントロールができて、自分のことをもっともっと高めようとする力、そしてまた、集団の中に溶け込んで、他の人との関係をうまく作ったり、ともに助け合ったりする力のことです。こうした力が、人の一生涯にわたる心と身体の健康や幸せの形成に深く関わっていることが、現在、国内外のたくさんの研究から明らかになってきています。学童期は、こうした力を培うのに、まさに恰好の時期だと言えます。とりわけ、学校にいる間だけではなく、放課後を子どもにとってわくわくする魅力的な時間にすることが、こうした力の獲得を支え促す一つの重要な鍵を握っています。学術的根拠に裏打ちされた質の高い学童保育での豊かな経験が、子どもを希望にあふれた明るい未来へと導きます。